ミトコンドリアと卵子の関係性
卵子の質とミトコンドリアの関係性について
卵子は、成熟、排卵、受精、そして初期胚発育の過程において
大量のエネルギーを必要とします。
ミトコンドリアは、融合と分裂を繰り返しながら形を変え機能を調整していきます。
受精した卵子は母体から栄養を得ず、自分のエネルギーを消費しながら分割を繰り返し
子宮まで辿り着き、内膜に潜り込み初めて母体から栄養をもらい受けるようになります。
その間、ミトコンドリアの機能が正常であれば、卵子に必要なエネルギーが十分に供給されますが、
機能が低下したミトコンドリアが多いと融合不全や分裂が促進されて
DNAの損傷が修復されず、細胞機能が障害されたり
小片化が進み、機能不全に陥る可能性があります。
これにより、効率的なエネルギー生産が妨げられ卵子の質が悪化します。
ミトコンドリアの機能が低下すると
分割が停止する
受精能力が低下
染色体が上手に2分割できなくて 染色体異常の卵子が育つ
受精の際に変性
顕微授精で針を指した途端に卵子が壊れてしまう
というように妊娠の成功率にも悪影響を及ぼします。
このように、ミトコンドリアは卵子の質に深く関与していて、
エネルギー供給、酸化ストレスの管理、細胞死(アポトーシス)の防止、
遺伝情報の伝達、加齢による影響、
ミトコンドリアの増殖と分布などの面で重要な役割を果たしています。
ミトコンドリアの健康を維持することは、卵子の質を高め、
妊娠成功率を向上させるために非常に重要な課題となります。
次回はミトコンドリアに悪影響を及ぼす因子のお話をします。
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